うさぎの避妊手術 [うさぎ]
うさぎを飼っている方はご存知の方も多いと思われますが、ペットと
して飼われているうさぎは非常に子宮の病気にかかりやすいです。
原因はまだ分かっていませんが、本来多くの子孫を残す動物なのに
繁殖させないことも原因ではないかと言われています。
研究により様々なデータがありますが、3歳以上になるとメスうさぎの
6割以上は何らかの子宮の病気にかかるといわれています。
最近は高齢のうさぎも多く、10歳を超えることもありますが、その多くは
オスもしくは避妊したメスです。多くのメスが子宮の病気のために
亡くなっています。
1歳以下であれば卵巣の除去だけでも良いとの報告もありますが、
1歳以上であれば同時に子宮も除去する必要があります。
犬や猫に比べるとまだまだ麻酔のリスクも高く、術後の食欲不振から
亡くなってしまうこともあるため、100%安全な手術とはいえませんが、
子宮の病気で亡くなることが多いので、出来る限り避妊手術は行う
べきだと考えています。
して飼われているうさぎは非常に子宮の病気にかかりやすいです。
原因はまだ分かっていませんが、本来多くの子孫を残す動物なのに
繁殖させないことも原因ではないかと言われています。
研究により様々なデータがありますが、3歳以上になるとメスうさぎの
6割以上は何らかの子宮の病気にかかるといわれています。
最近は高齢のうさぎも多く、10歳を超えることもありますが、その多くは
オスもしくは避妊したメスです。多くのメスが子宮の病気のために
亡くなっています。
1歳以下であれば卵巣の除去だけでも良いとの報告もありますが、
1歳以上であれば同時に子宮も除去する必要があります。
犬や猫に比べるとまだまだ麻酔のリスクも高く、術後の食欲不振から
亡くなってしまうこともあるため、100%安全な手術とはいえませんが、
子宮の病気で亡くなることが多いので、出来る限り避妊手術は行う
べきだと考えています。
うさぎの胃停滞 [うさぎ]
うさぎは草食動物です。食べた牧草を盲腸で発酵させて必要な栄養を
吸収しています。発酵は常に行われており、うさぎの胃腸は常に動いて
いなければなりません。このため絶食させることが出来ません。通常
犬や猫でも全身麻酔をかける前には、嘔吐させないようにごはんもお水も
抜いてしまいますが、うさぎは直前までごはんもお水も与えます。うさぎは
嘔吐することが出来ませんので、胃をからっぽにする必要もないからです。
胃停滞という病気は、さまざまな原因によりうさぎの胃の運動が低下
してしまう状態です。食欲が無くなり、胃にはガスが貯まりお腹が膨れてきます。
胃を動かす薬と食事を強制的に与えることなどによりほとんどの場合は治癒
しますが、急速に進行した場合は胃が破裂してしまうこともあります。
先日も急速にガスが貯まり、胃が破裂してしまったうさぎが来院いたしました。
破裂した胃を縫合しなければいけませんので、すぐにお腹を開ける準備をいた
しましたが、麻酔をかけている途中で残念ながら亡くなってしまいました。
朝までは元気にご飯を食べていたそうです。
うさぎは病気になっても症状を隠そうとします。ご飯を食べなくなったら緊急事態
です。すぐに病院に連れて行って下さい。
吸収しています。発酵は常に行われており、うさぎの胃腸は常に動いて
いなければなりません。このため絶食させることが出来ません。通常
犬や猫でも全身麻酔をかける前には、嘔吐させないようにごはんもお水も
抜いてしまいますが、うさぎは直前までごはんもお水も与えます。うさぎは
嘔吐することが出来ませんので、胃をからっぽにする必要もないからです。
胃停滞という病気は、さまざまな原因によりうさぎの胃の運動が低下
してしまう状態です。食欲が無くなり、胃にはガスが貯まりお腹が膨れてきます。
胃を動かす薬と食事を強制的に与えることなどによりほとんどの場合は治癒
しますが、急速に進行した場合は胃が破裂してしまうこともあります。
先日も急速にガスが貯まり、胃が破裂してしまったうさぎが来院いたしました。
破裂した胃を縫合しなければいけませんので、すぐにお腹を開ける準備をいた
しましたが、麻酔をかけている途中で残念ながら亡くなってしまいました。
朝までは元気にご飯を食べていたそうです。
うさぎは病気になっても症状を隠そうとします。ご飯を食べなくなったら緊急事態
です。すぐに病院に連れて行って下さい。
うさぎのパスツレラ症 [うさぎ]
パスツレラ症とは、ウサギに最もよく発生する細菌感染症の一つで、
Pasteurella Multocidaという細菌が原因です。パスツレラ菌に感染すると
ウサギは一生この菌を保菌し、また薬剤投与により完治することのない
やっかいな病気です。
原因菌
パスツレラの人間への感染については、その大半が犬や猫の口腔内に
正常個体でも常在している菌が咬み傷から侵入して起こるもので、ウサギ
から人間へ感染することはほとんどないと考えられます。しかし、ウサギの
目やにや鼻汁、傷口などを指先などで触ったりするのはやめましょう。
広がりの様式
菌は鼻腔から侵入し、その後は体のほとんど全ての器官へと移動する
ことができます。まず、菌は耳管を通って耳に、鼻涙管を通って結膜に、また
気管を経由して肺へ移動してゆきます。また血液によっても運ばれ、心臓、
肺、そして肝臓や膵臓、生殖器のような内部臓器に病変を起こすことも
あります。
皮膚から侵入すると皮下膿瘍を引き起こします。冒されたウサギでは多くの
場合、症状の出ない不顕性感染となり、ストレスが加わることによって明白な
症状を現します。
パスツレラは鼻汁や目やに、呼吸飛まつにより感染するので、同一ケージ内
のウサギは次々と感染してしまいます。また症状が軽減しても保菌者になり、
体力が低下した時に発症しやすく、栄養不良、衰弱、その他の疾患などが
発病の誘因となります。
症状
①パスツレラ症の典型的な臨床症状は、粘液膿性の鼻汁で、くしゃみ、咳、
鼻づまり、そして鼻を鳴らす音などが伴います。これらの徴候が、この疾患が
しばしば『スナッフル、鼻カゼ』と呼ばれている理由です。
②こうした鼻からの滲出液は前足へ擦りつけられる場合もあります。
③眼に症状が出る場合は、結膜は赤く腫脹し、いわゆる赤目のような状態に
なります。
④皮下に感染が生じると膿瘍が形成されます。母指頭大の小さなものから、
鶏卵大位の大きさのものまで、様々な部位に発生してきますが、特に顔周辺に
発生してくることが多いようです。
⑤食欲不振や、下痢症状といった漠然とした症状のみしか示さないこともあります。
こうした症状は通常長く続き、衰弱して死亡するケースもしばしば見られます。
⑥『スナッフル、鼻カゼ』が進行してゆくと、肺へ感染が成立し、化膿性肺炎や
胸膜炎(膿胸)に陥ることもあります。
⑦斜頚は中耳から脳内へ菌の感染が起こるために生じてきます。
⑧突然死が起こることもあります。これは菌がエンドトキシンという毒素を作り出す
ためです。毒力は極め強いものであり、一見健康そうにみえたウサギに突然死が
きたケースではエンドトキシンを疑う必要があります。
治療
パスツレラ菌を攻撃することができる抗生物質の投与が基本となります。ただし
たとえどんなに高用量を投与しても、体内の菌を全て殺してしまうことはできません。
多くの場合、鼻道内の迷路状になった穴や、口腔内、子宮内部などで抗生物質から
逃れて生き延びているようです。また一見完治したように見えても、そのウサギは
保菌者です。抵抗力が低下したり、急激な気温変化や、妊娠、その他のストレス因子
が引き金になり再発する可能性が高いのです。
抗生物質の投与期間中は症状がコントロールされていても、投薬を中止すると再発
する例もしばしば見受けられます。
顔周辺にできた膿瘍は、可能であれば手術により切除しますが、やはりしばしば
再発します。ただし膿瘍が小さく、切除しやすい位置に限局していれば、切除治療は
可能かも知れません。
パスツレラによる肺炎や肝炎は極めて予後が悪いのが現状です。激しい呼吸困難
などを生じ、また幼弱ウサギが急性肺炎を起こすと病勢は激しく、何の症状もないまま
死亡することがあります。抗生物質療法と共に皮下点滴による水和と体液補正、
エンドトキシンの希釈を行います。また同時に各種ビタミン剤や強肝剤、食欲が無ければ、
食欲増進剤の投与や強制給餌も行います。
Pasteurella Multocidaという細菌が原因です。パスツレラ菌に感染すると
ウサギは一生この菌を保菌し、また薬剤投与により完治することのない
やっかいな病気です。
原因菌
パスツレラの人間への感染については、その大半が犬や猫の口腔内に
正常個体でも常在している菌が咬み傷から侵入して起こるもので、ウサギ
から人間へ感染することはほとんどないと考えられます。しかし、ウサギの
目やにや鼻汁、傷口などを指先などで触ったりするのはやめましょう。
広がりの様式
菌は鼻腔から侵入し、その後は体のほとんど全ての器官へと移動する
ことができます。まず、菌は耳管を通って耳に、鼻涙管を通って結膜に、また
気管を経由して肺へ移動してゆきます。また血液によっても運ばれ、心臓、
肺、そして肝臓や膵臓、生殖器のような内部臓器に病変を起こすことも
あります。
皮膚から侵入すると皮下膿瘍を引き起こします。冒されたウサギでは多くの
場合、症状の出ない不顕性感染となり、ストレスが加わることによって明白な
症状を現します。
パスツレラは鼻汁や目やに、呼吸飛まつにより感染するので、同一ケージ内
のウサギは次々と感染してしまいます。また症状が軽減しても保菌者になり、
体力が低下した時に発症しやすく、栄養不良、衰弱、その他の疾患などが
発病の誘因となります。
症状
①パスツレラ症の典型的な臨床症状は、粘液膿性の鼻汁で、くしゃみ、咳、
鼻づまり、そして鼻を鳴らす音などが伴います。これらの徴候が、この疾患が
しばしば『スナッフル、鼻カゼ』と呼ばれている理由です。
②こうした鼻からの滲出液は前足へ擦りつけられる場合もあります。
③眼に症状が出る場合は、結膜は赤く腫脹し、いわゆる赤目のような状態に
なります。
④皮下に感染が生じると膿瘍が形成されます。母指頭大の小さなものから、
鶏卵大位の大きさのものまで、様々な部位に発生してきますが、特に顔周辺に
発生してくることが多いようです。
⑤食欲不振や、下痢症状といった漠然とした症状のみしか示さないこともあります。
こうした症状は通常長く続き、衰弱して死亡するケースもしばしば見られます。
⑥『スナッフル、鼻カゼ』が進行してゆくと、肺へ感染が成立し、化膿性肺炎や
胸膜炎(膿胸)に陥ることもあります。
⑦斜頚は中耳から脳内へ菌の感染が起こるために生じてきます。
⑧突然死が起こることもあります。これは菌がエンドトキシンという毒素を作り出す
ためです。毒力は極め強いものであり、一見健康そうにみえたウサギに突然死が
きたケースではエンドトキシンを疑う必要があります。
治療
パスツレラ菌を攻撃することができる抗生物質の投与が基本となります。ただし
たとえどんなに高用量を投与しても、体内の菌を全て殺してしまうことはできません。
多くの場合、鼻道内の迷路状になった穴や、口腔内、子宮内部などで抗生物質から
逃れて生き延びているようです。また一見完治したように見えても、そのウサギは
保菌者です。抵抗力が低下したり、急激な気温変化や、妊娠、その他のストレス因子
が引き金になり再発する可能性が高いのです。
抗生物質の投与期間中は症状がコントロールされていても、投薬を中止すると再発
する例もしばしば見受けられます。
顔周辺にできた膿瘍は、可能であれば手術により切除しますが、やはりしばしば
再発します。ただし膿瘍が小さく、切除しやすい位置に限局していれば、切除治療は
可能かも知れません。
パスツレラによる肺炎や肝炎は極めて予後が悪いのが現状です。激しい呼吸困難
などを生じ、また幼弱ウサギが急性肺炎を起こすと病勢は激しく、何の症状もないまま
死亡することがあります。抗生物質療法と共に皮下点滴による水和と体液補正、
エンドトキシンの希釈を行います。また同時に各種ビタミン剤や強肝剤、食欲が無ければ、
食欲増進剤の投与や強制給餌も行います。
タグ:うさぎ パスツレラ
うさぎの斜頚 [うさぎ]
犬や猫ではあまり見られないですが、うさぎさんが頻繁にかかる病気
に斜頚と呼ばれるものがあります。正しくは病名ではなく症状なのですが、
斜頚とは何らかの原因で首が左右どちらかの方向に傾いてしまい、頭部を
真っ直ぐ支持できない状態をいいます。
事故などの外傷によることも時にはありますが、多くは寄生虫や微生物が
原因となり発症します。脳腫瘍が原因になることもありますが、CTやMRI
といったまだまだ特殊な機械と、検査に全身麻酔が必要なため、生前に診断
することはなかなか難しいです。
治療としては、抗生物質や点滴、強制給餌により病気の原因と戦うための
体力を維持するよう努めます。病気の原因を突き止めて完全に治すことは難しい
ですが、ちょっと首が傾いたままでもご飯は普通に食べれるようになって日常の
生活には支障がない程度には回復してくれることが多いです。
うさぎさんは食べられないと死んでしまいます。何か異常があったらすぐに
動物病院を受診して下さい。
に斜頚と呼ばれるものがあります。正しくは病名ではなく症状なのですが、
斜頚とは何らかの原因で首が左右どちらかの方向に傾いてしまい、頭部を
真っ直ぐ支持できない状態をいいます。
事故などの外傷によることも時にはありますが、多くは寄生虫や微生物が
原因となり発症します。脳腫瘍が原因になることもありますが、CTやMRI
といったまだまだ特殊な機械と、検査に全身麻酔が必要なため、生前に診断
することはなかなか難しいです。
治療としては、抗生物質や点滴、強制給餌により病気の原因と戦うための
体力を維持するよう努めます。病気の原因を突き止めて完全に治すことは難しい
ですが、ちょっと首が傾いたままでもご飯は普通に食べれるようになって日常の
生活には支障がない程度には回復してくれることが多いです。
うさぎさんは食べられないと死んでしまいます。何か異常があったらすぐに
動物病院を受診して下さい。
タグ:うさぎ 斜頚